24.タイムマシンに乗って
皆さん、こんにちは。
今日はですね。今私がやっているライティングチャレンジについて話していきたいと思います。この10月2回目のライディングチャレンジコースを開きました。今回は14人の生徒さんに参加していただいて、私が決めたトピック、週2回、それについて作文を書くというチャレンジをやっています。次はですね、来年ですね。新しい年になって、来年、またチャレンジをやろうと思うので、興味がある人は私にメールを、早めに連絡してください。
さて、その中で私はですね、いろいろな生徒さんの作文を読むのが好きなんですよね。なぜなら、生徒さんのユニークなアイデア、意見を知ることができる。そして、最初のトピックはタイムマシンについてだったんです。「タイムマシンに乗れるなら、どの時代に行きたいですか。過去ですか、未来ですか」というトピックで作文を書いてもらいました。
その生徒さん達の作文をね、いくつか紹介していくんですが、私はね、「未来」と答えますね。なぜならもう過去はよく分かる。自分自身の過去も、歴史的なこともよく分かるから、新しい世界、自分が知らない世界を見たいということで、未来に行きたいと答えます。
そして、ほとんどの生徒さんがそう答えるかなと思っていたら、違っていました。私の予想とは異なる作文の内容がたくさんあったので、面白いなと思ったんです。ここで紹介するのは特に、過去、過去に戻りたいと答えた人たちの作文です。
まず、香港の生徒さん。
タイムマシンに乗れるなら、八年前に戻りたい。当時の祖母をもっと大切にして、祖母の健康に注意して、もっと一緒に過ごしたい。実は、祖母が七年前に病気になって、その後、様態はどんどん悪くなってきている。だから、ずっと後悔していて,祖母をもっと大切にすればよかったと思っている。一人一人それぞれ、後悔していることがあるかもしれないが、誰もどんなに後悔しても、過去が変えられない。人生は一度しかないから、大切にする人や自分がしたいことをちゃんと大切にしないといけないと思っている。
という作文でした。これは私は本当に気持ちが分かりました。大切な人が病気になった、または亡くなった。そんな時に初めて人は後悔するんです。「あ、もっと一緒に時間を過ごしておけばよかった」、そんな後悔、皆さんも感じたことがありませんか。だからこそ、人生は一度しかないから、一度起きてしまったことは変えられないから、今を大切にする。自分の家族を大切にする。そういう気持ちが重要なんですよね。
さて、次はカナダの生徒さんです。このカナダの生徒さんは実は「過去は過去だから、未来に行ってみたいです」という作文を書いてくれたんですが、でも、未来について非常に悲観的な考え方を持っているんですね。その部分を読んでいきたいと思います。行きますよ。
実は未来の世界について私はちょっと悲観的です。未来には天候変動や、人口爆発や、動物の絶滅などが大きい問題になると思います。でもね、そんな悲観的な考え方はよくないと思うので、楽観的なことも考えてみます。例えば、自動運転車とか、宇宙旅行とか、VRテクノロジーなどを楽しみにしています。どんな未来になるか、ぜんぜん想像できませんが、未来について考えると不思議な気持ちがします。
という内容でした。結構ね、未来に関して悲観的な考え方の人が多いですね。私は確かに「あ、そうだ」と思ったけれども、実はものすごく楽観的です。だから、天候変動、人口爆発、動物の絶滅なんて言葉を聞いてちょっとね、悲しくなってしまったんです。
さて、次はですね、アメリカのカリフォルニアに住んでいる方の作文です。この方はですね、中国の歴史について書いてくれました。行きます。
もしタイムマシンに乗れるなら、中国の唐(とう)の時代に行きたいです。唐は紀元600年頃から900年頃にかけて中国の王朝でした。それは、中国の長い歴史の中で最も盛んであった時期だと言えます。日本の歴史では、飛鳥時代から平安時代にかけて、阿倍仲麻呂や空海が遣唐使として中国に派遣された時代でした。唐は私が中国人として誇りを持っている時代です。そこで、唐の文化遺産が見たいです。文化遺産を通して、その時代の繁栄を感じたいです。でも、残念ながら、そんなに栄えていた時代なのに、戦争や天災のせいで、今の時代にも残っている文化遺産は本当に少ないです。だから、タイムマシンに乗れるなら、唐に戻ってその時代の全てを、自分の目で見て、自分の身で感じてみたいです。
面白いですね。確かに、過去に戻ることの大きな魅力の一つは、自分で実際にその時代を見て、ね、その時代がどうだったかを感じて、そして、今は残っていない素晴らしい文化遺産を見たい。よく気持ちが分かります。ね、唐というのは昔々の中国の時代の名前です。
さて、次はアメリカ出身で現在東京に住んでいる生徒の作文です。この生徒さんは歴史について、歴史について書いてくれました。読みます。
私はタイムマシンに乗れるなら、過去に行きたいと思います。なぜなら、歴史本に書かれてある過去に起きた出来事などを自分の目で見てみたいのです。歴史は事実に基づくと言われていますが、それは完全に正しいのでしょうか?学校では、歴史的な日付や出来事を、暗記させられ、その出来事がなぜ起こったのかを覚えるように教えられます。しかし、その「なぜ」は、視点によって変わるでしょう。つまり、歴史は事実だけではなく、起こったことについての解釈も含まれています。ですから、過去に戻れるとしたら、本や先生から学んだことと実際の経験と比べてみたいと思います。例えば、私が教わったことと大体同じですか?または、何がかなり違ってますか?さらに、過去を経験した後、それが自分の将来にどんな影響を与えられるのかと考えることは、とても重要だと思います。ですから、過去に行くことがあっても、先を見据えて生き続けたいのです。
これはね、ちょっとかなり難しい内容なので、これを聞いて分からない人もいるかもしれない。私の、自分自身の解釈は、ね、この生徒さんはまず過去に行って、実際自分の目で、ね、本当に今私が学んだことが正しいのかどうか、確認したいっていうことなんですね。そして、実際に確認して、ね、学んだ後で、じゃ、その学んだこと、その過去をどう将来に活かすか。やっぱり未来にどうやって繋げていくか。それを勉強したい、学びたい、考えたいっていうことだと思うんです。だから、過去に起きた、例えば、過ちなどをどう繰り返さないか、未来についても考えていきたいということだと思いました。
そして、最後、最後の作文はとてもユニークでした。シンガポールの生徒さん。なぜならこの生徒さんは、タイムマシンに乗りたくないと答えたんですね。ものすごい!私にとって面白い作文だったんです。読みます。
私ならタイムマシンに乗りたくありません。なぜなら、この時代が一番いいと思っています。Steven Pinker 教授によると、過去は無数の戦争がありました。でも、第二次世界大戦から今までは歴史的に一番平和な時代です。もちろん、戦争はまだありますが、世界大戦みたいな戦争より、複雑で、いろいろな形の紛争があります。だから、この平和な世界は多分続きません。気候変動のせいで、確実に自然災害は起こるでしょう。そうなら、たくさんの所で人は生きられません。その時、生きるために、戦争が必ず起こるでしょう。未来は多分すごく危険な時代だと思います。だから、別の時代に行きたくなくて、ここにいたいんです。
はい、ということで、最後は「いや、今の時代が一番いいんだ。ね、過去にも未来にも行きたくない」という内容について紹介して、終わりたいと思います。皆さんは、タイムマシンに乗れるなら、どの時代に行きたいですか。過去ですか、未来ですか。考えてみてください。
今日はここまでです。
Special Thanks go to Maria, トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!