38.合気道家、ウルスさん(2回目の出演!)
Noriko
皆さん、今回の特別ゲストは、私の生徒さん、スイス人のUrsさんです。みなさん覚えていますか。Ursさんは、実はシーズン 1 のエピソード 100 でゲスト出演をしていただきました。今回なんと 2 回目になります。Ursさん今日もよろしくお願いします。
Urs
はい、こちらこそよろしくお願いいたします。今日はこちらにお招きいただきましてありがとうございます。
Noriko
いえいえ、こちらこそ。 2 回目ありがとうございます。あの、じゃあ、やっぱりもう一度皆さんに自己紹介をお願いします。
Urs
はい、ケラー・ウルスと申します。生まれも育ちもスイスのチューリッヒです。スイスで合気道の道場を開いています。あの、毎年和歌山県の熊野大社に合気道を奉納します。それで、あの、道場の他に高校で歴史を、また、フランス語圏の人にドイツ語を教えています。どうぞよろしくお願いします。
Noriko
はい。あの、実はね、みなさん、Ursさんとは今までITALKIを通して 、172 回、 172 回ね、プライベートレッスンを、
Urs
172 回、すごいですね。
Noriko
一緒にしてきたんですよ。ありがとうございます、Ursさん、いつも。
Urs
こちらこそ、本当にどうもお世話になりましたね。
Noriko
はい、はい、本当に、いや、こちらこそですよ。あの、Ursさん、長くね、一緒に勉強、まぁ会話のレッスンをしてきましたけど。
Urs
そうですね。今だいたい 4 年間ですね。
Noriko
そうなんですよ。今の日本語のレベルについて、Ursさん自身はどう思っていますか。
Urs
そうですね。実は僕日本語の日常会話に自信があります。でも横綱級のレベルで、ペラペラになりたいので、今から命がけで勉強したいと思います。
Noriko
命がけで勉強したいっていうのは、なかなかできない、
Urs
ま、ちょっと大げさかな。けど。横綱のレベルでペラペラになりたい。それは本当のことですよ。
Noriko
あの、Ursさんが言う横綱級ってどういうレベルなんですか。
Urs
それは、一番トップ。 あの、横綱はもともと、あの、相撲の言葉なんです。
Noriko
そうそうそう。
Noriko
でもどんなこと、わかるように・・・
Urs
あの、本当に伝えたいことは、本当にトップレベルでペラペラになりたいんです。
Noriko
うん、会話がってことですね。うん。
Urs
あの会話以外、書くとか 読むも、あの、完璧になりたい。
Noriko
ああ、本当に?そっか。じゃ本当に命がけですね、これから勉強。
Urs
そうですね。
Noriko
面白い、面白い、じゃ、さっきもちょっと言いましたけど、実は来月 11 月で日本語の勉強を始めて 4 年になりますね。 4 年。
Urs
あっという間ですね。
Noriko
すごい。よく今まで、継続は力なり、頑張りました。本当に。あの、今までのこの 4 年間の勉強方法、ちょっと話してもらえませんか。
Urs
はい、もちろんですよ。あの、
Urs
実は最初に、あの、少しだけ独学で勉強して、あの、Genkiという教科書で独学して、それから、あの、東京にある言語学校、あのgenkijacsという言語学校で、あの、 2 週間通ってて、その間に、ホームステイして。それで、のりこ先生とGenkiの1とGenki2を終わってて、
Noriko
それは本当に懐かしいね、Urs さんね。ずいぶん前のことですね。
Urs
ね、懐かしい。
Noriko
最初、本当に、Genkiをやりました。
Urs
うん。頑張りましたね。ありがとう、本当にありがたいんです。
Noriko
いやいや、懐かしいと思いました。じゃあその後は?
Urs
えーっとね、その後は、Integrated Approached to Intermediate Japanese、という教科書を使ってて、面倒くさいな。それで、上級へのとびらという教科書も使っていて。あの、実は教科書の以外、よく和食屋さんへ行って、それは、一石二鳥。おいしい和食食べながら、あの、店員さんと日本語を話しました。
Noriko
あの、ちょっといいですか、Ursさん。
Urs
どうぞ。
Noriko
あの実は、私とのレッスンも長いけど、私のレッスンは本当に会話が中心だから、教科書を一時間することはないんですよね。
Urs
まぁそうですねぇ、それはちょっと無理。
Noriko
だいたい会話を話して、教科書をして、て、そういうレッスンをたくさんして、しかもUrsさんは、すごく積極的だから、自分から進んでスイスに住んでいる日本人を探します。
Urs
えーっとね、そうですね。実はスイスで、スイスにある日本の大使館で、月に 2 回、日本語の話す会に参加して、あの、だから、この話す会おかげで、日本人の友達できて、今、そうですね、普通のメッセージ交換して、時々お飲みに行って、本当に普通の友達になってきました。
Noriko
そこがね、とてもいいポイントだと思うんですよ。あの、Urs さんは本当に積極的で、日本に行けない状況でも、地元に住んでいる、近くに住んでる日本人を見つけて話しかけます、ね。それは素晴らしい方法です。
Urs
まあ、僕の性格だから、道で、道歩きながら、日本人に、「あ、この方日本人かな?」と思ってて、
Noriko
どうやって、どうやって話しかけるの?そのとき。初めてのとき。どうやって話しかけますか。
Urs
えっとね、たぶん最初に、「あ、すみません。日本人の方でしょうか。」
Noriko
完璧ですね。
Urs
ありがとう、いや、先生のおかげさまで。
Noriko
いや、そしたら、その方、大体どういうリアクションをされるんですか。
Urs
えっとねぇ、よくちょっと最初にびっくりして、それからうれしくなります。最近あったことは、あの、声をかけてとか、ナンパした、友達になりました。
Noriko
ナンパ、ナンパしたんですか?Ursさん?
Urs
いや、まあそれは大げさだけど・・・・
Noriko
女性の方に?
Urs
そうそう、そうそうそう。
Noriko
いいですね。
Urs
でも彼女は、けいこさんという日本人ですけど、どんどん、偶然、歩きながらすれ違って、声をかけて、
Urs
それで、彼女はスイスのチューリッヒで、和食屋さんの持ち主さんです。あの、そのとき、夜のレストランへ連れてきて、
Noriko
連れ行ってくれたんですね。
Urs
そうそうそう。とても優しい。
Noriko
素敵な出会い。
Urs
いい出会いになりました。今友達、友達みたい。
Noriko
そうそう。だからこれを聞いてくれてる皆さんに言いたいんですけど、恥ずかしいとかね、私の日本語が通じなかったらどうしようって思うかもしれないんだけど、意外とね、日本人の人、本当にうれしいと思うんです。日本語で話しかけられたら。
Urs
そうそうそう。僕も本当にあの経験でそうと思います。ま、もう 1 つ、あの実は、スイスにいる日本人、大体日本語とか、英語しかしゃべれないんです。
Noriko
あ、そうなんですね。
Urs
そうそうそう。ドイツ語、まだまだ。
Noriko
だからこそ日本語で話しかけられたら嬉しいのかもしれないですね。
Urs
うん、そうだと思いますよ。
Noriko
Ursさん次の質問なんですけど。
Urs
はい、どうぞ。
Noriko
長くね、もう 4 年間、勉強してきましたけど、今までね、日本語の勉強のやる気がなくなったことってなかったんですか。またその場合ね、どうやってやる気をアップさせましたか。
Urs
はい、わかりました。じゃあ、あれですね。やる気がなくなったことはありません。なぜなら、実は、政治家のスピーチを聞き取れるようになりたいし、日本に行って日本語を使ってみたいからです。
Noriko
ああ、すごいね。なるほど、だから、ああ、やる気がなくなったことがない、いつもは常に勉強している。
Urs
いつもやる気があるよ。
Noriko
そうか、やる気がなくなったことがないっていうのは本当にすごいことで、たくさんの方が、何かやっぱりアップダウンがあるから、
Urs
ああ、そう?それは普通。多分。
Noriko
そうそうそう。うん、でもUrsさんは、なるべく楽しんで勉強してるから、続けることができてるのかな。
Urs
そうそうそう、それは大切だと思いますよ。
Noriko
わかりました。じゃあね、後半は、やっぱり合気道についてちょっと話したいんですね。
Urs
あ、はい。お願いします。
Noriko
Ursさん、合気道の先生だから。
Urs
うん、そうですね、あの、自分の道場を開いています。
Noriko
うん、じゃあ、合気道との出会いとか合気道の魅力について話してくれませんか。
Urs
はい、お願いします。じゃあ、あの、合気道の特徴、あの、例えば、あれですね、先週は、ドイツにあった練習会に参加して、だから合気道おかげで、国際的な友達できて、旅行できて、あの、いろんないいところ、あります。その上にもちろん合気道の稽古着、稽古着って、あの服、伝統的な服、袴は格好いいと思いますが、私はそれ以上に、合気道とのご縁を大切にしたいと思います。
Noriko
そうそう。
Urs
すなわち合気道は私の人生の一つの天命です。
Noriko
あ、これはね、合気道家らしい表現なんです。ちょっともう1度ね。ご縁があって合気道を初めて、今は天命。天命、じゃ、この天命ね、ちょっと説明してください、Urs さん。
Urs
はい。たぶん、あの、まず、ご縁、うーん、簡単に言うと子供の時からずっと知らずに、あの、心の中で感じました。あ、合気道をやったほうがいい。
Noriko
何か感じるものがあったんですよね。
Urs
うんうんうん、その通りその通り。
Noriko
そうそうそう。
Urs
それで天命という言葉は、英語だったら、ミッションということです。
Noriko
そう、いい表現だよね。
Urs
とか、ま、よく日本で使われている表現だと思います。天からもらった使命です。
Noriko
そうなんです。そういうね、あの気持ちを持って合気道の先生をやってる、合気道を続けてるってことなんですよね。
Urs
そうですね。実は今、あの、初めた時は平成の10年だから、今 20 年以上ずっと練習したんですよ。
Noriko
もう 20 年以上になりますか。おー!
Urs
そうですね。
Noriko
長くなってきました。
Urs
ありがとうございます。
Noriko
これは本当に天命ですね。じゃあ、Ursさん、私は正直合気道についてよくわからないんですね。
Urs
あ、そうなんですか。
Noriko
ま、そういう方も多いと思うので、合気道の教えを、少し簡単に、説明してください。
Urs
そうですね。でも簡単じゃないでしょ。
Noriko
そうですよね。ごめんなさい。
Urs
まあ、長い間やっているのに、本当に難しいと思いますけど、まず合気道は日本の武道です。
Noriko
はい、武道ですね。うん。
Urs
はい。あの、例えば、空手とか剣道も武道なんですけど、合気道開祖、植芝盛平先生によると、合気道は「真の武道」と言いました。真の武道についてあとで、 もう少し詳しく説明したいと思います。あの、日本にはさまざまな道があります。例えば、華道、書道、えっとね、剣道などの道です。今ここで伝えたいことは、日本の伝統文化の様々な道についてです。
Urs
実は合気道はその様々な道のうちの一つです。それで道とか、道によって、手段や使う道具は違うけれど、どの道も、その最終目標は同じです。その最終の目標は、ちょっとわかりにくいかな。最終目標は、宇宙と 1 つになることです。すなわち、
Noriko
ちょっと待って。宇宙の1つになることね。深いです、深い。
Urs
英語だったらget one with the universe, become one。
Noriko
そうそう、深い考えです。スピリチュアルですよね。
Urs
多分もともと仏教から来た教えだと思います。あの、すなわち、門人凡人、あの、その、道とか道をやっている人を、悟りを得ることです。
Noriko
そうそう、それはよく言われることね。悟りを得る、極めるって感じかな。
Urs
ああ、もう一度?聞こえなかった。
Noriko
極める。悟りを得るは、たぶん極めるという感じだと思います。他の言葉で言うと。
Urs
心の平和を得ることです。
Noriko
あ、素晴らしい。
Urs
それはもともとたぶんもうあの仏教の教えだと思います。
Noriko
なるほど、なるほど。
Urs
そうですね。まあでも合気道の場合、神道と深い関係があるのでいつも稽古の前に、あの、道場を清めるために祝詞(のりと)、神道の祝詞を唱えます。
Noriko
そう、そうなんですよね。神道と深く関係があるんですよね。
Urs
そうですね、そうですね。今祝詞を少し唱えてもいいでしょうか。
Noriko
いいですよ。私はよくわからないんですけど、お願いします。
Urs
ああ、あ、それは、神主の仕事なんです。あの、神道の祈り。じゃ、唱えます。(Ursさんの祝詞)
Noriko
うわ、Ursさん、なんか、今神社にいるみたいね。すごい。
Urs
いやいや、恥ずかしい。
Noriko
でも、これをいつも稽古の前に言うんですね。
Urs
はい、そうそうそう。私の道場で。あの実は、僕のスイスにある道場はあの熊野神社とつながっているので、祝詞奏上(のりとそうじょう)を大切にしたいと思います。
Noriko
いいですね、いいですね。いや本当にその道を極める、悟る、宇宙と一つになるっていうのはすごいスピリチュアルね。だからこそ何年も何年も時間がかかる、ね。うん。
Urs
そうですね。 あの、石の上にも 3 年、でしょう。
Noriko
あ、いいですね。
Urs
多分3年以上だけど、それはことわざですね。
Noriko
そうそうそう、石の上にも三年、ね、長く長く続けていきます。わかりました。
Urs
あの、たぶん、私より合気道についてもっと詳しく説明できる引土先生が、語られていますので、ここで、引土先生の言葉、紹介したいと思います。
Noriko
あの引土先生はもう一人の有名な先生ですね。合気道の?
Urs
はい、あの、たぶん、合気道開祖から直接合気道の十段、一番高い段をいただいた方です。
Noriko
はいじゃあ是非その先生の言葉を紹介してください。
Urs
はい、これを読みますね
Noriko
はいどうぞ。
Urs
あのね、
Noriko
ゆっくり読んでね、もう一度ゆっくり読んでね。
Urs
わかりました。「合気道は気を合わす道と書くけれど、相手と気を合わすんじゃない。相手と気を合わすなんて間違ったことを考えるから、稽古がなれあいになる。宇宙の気、大自然の気、神の気と自分の気を合わすんだ。初めから、相手の気を喰ってしまわなければならない。相手の全貌を初めから吸収してしまう事が大切だ。全貌というのは、相手の全てのもの。相手の心も体も全部吸収してしまう。これが武道の極意なんです」(引土道雄師範)
Noriko
ありがとうございます。ちょっと難しかったな。でもいい教えですね。深い。
Urs
そうですね。僕に 聞いたら、合気道って何でしょうか、ちょっと恥ずかしい。僕を代わりに、引土先生、あの、大師範のことを紹介したいと思います。 難しかったら、すいませんでした。
Noriko
いえいえ、大丈夫です。素晴らしい教えね、シェアしていただきました。じゃあ、Ursさん、話が変わるんですけど、Ursさんはね、コロナの前に何度も日本に旅行しているんですけれど。
Urs
そうですね。今まで 9 回 。
Noriko
9 回になりますか?多い、多い。日本でおすすめの場所とか好きな場所がありますか。
Urs
はい、そうですね、当たり前だから、 9 回行ったんですけど、あの、まあそうですね、僕は日本の田舎、大好きです。例えば熊野古道というところ、あるんですけど、たぶん 10 年間以上、世界遺産になりました。あの、でもね熊野古道という道は、昔から人々を歩きました。熊野古道って、pilgrimageということですね。
Noriko
わかります、わかります。パワースポットです、パワースポットです。
Urs
そうそうそう、そうそう。もうひとつのおすすめ、してもいいですか。
Noriko
はいもちろんどうぞ。
Urs
あのね、それは本物の武道家の向けです。実は東京の品川にある泉岳寺、泉岳寺というお寺は、有名な赤穂浪士の忠臣蔵のお墓です。
Noriko
そうなんです。もう一度でちょっと言っておきますね。
Noriko
赤穂浪士の忠臣蔵っていうね、歴史的に有名な話がある、本当の話。
Urs
そうそうそう。ものすごく多分皆さんに知っている言葉は47 人の侍、47 Roninということ。
Noriko
そう、映画にもなりました。
Urs
そうそうそう、まあもちろん、その、あの、最近出てきたハリウッドのビデオあって、でもね、YouTubeにある黒白映画もありますよ。
Noriko
白黒映画ね。
Urs
白黒映画。
Noriko
そうかそうか、じゃ、この有名な赤穂浪士のお墓があるお寺。
Urs
そうそう。
Noriko
もう一度お名前は?寺の。
Urs
あ、あ、お寺。あの、泉岳寺。
Noriko
泉岳寺
Urs
あの、東京の品川にある泉岳寺というお寺です。もちろんGoogle 先生に聞いてみてください。
Noriko
はい、わかりました。おすすめ、ありがとう、Ursさん。
Urs
こちらこそを聞いてくれてありがとう。
Noriko
じゃあUrsさん、あの最後になりましたけど、何か最後にもうひとこと、なんか言いたいことがあればどうぞ。
Urs
えーっとね別にないけど、あの、あの、いつもお世話になりました。ノリコ先生、本当に。
Noriko
あ、私?ありがとう、いやこちらこそ。はいはいはい。本当にいろんな話を今できるようになりましたね。
Urs
うんうん、そうですね。このおかげで日常会話に自信があります。本当にだからありがたいです。
Noriko
いやいや、皆さん、Ursさんとはね。今でこそ政治の話、コロナの話、で普通の生活の話、もう何でもできるようになりました。楽しい。冗談も言います、もちろん、ね。
Urs
ね、そうですね。
Noriko
Ursさんこれからもぜひねよろしくお願いします。
Urs
はい、こちらこそ。まことにかたじけない。
Noriko
かたじけない。きました!かたじけない。いいえ・・・・
Urs
ま、古い、あの、話っぽいの言い方ですね。
Noriko
そうね、ちょっと侍風ですね。
Urs
意味は、本当にありがとう。
Noriko
はいはい、こちらこそ。じゃUrsさん、今日は本当に 2 回目のゲスト出演ありがとうございました。
Urs
はい、ありがとうございました。
Noriko
はいじゃあこれで終わりたいと思います。失礼いたします。
Urs
終わりにいたします。
Noriko
はい、またね。
Special Thanks go to Maria, トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!