98.小説「コーヒーが冷めないうちに」

みなさん、こんにちは、日本語の先生のりこです。今日は久しぶりに日本語の小説について話していきます。作家さんの名前は川口俊和。小説の名前は「コーヒーが冷めないうちに」、とてもおすすめの本なんですね。ちょっとネタバレもあります。私はこの本、私の生徒さんにおすすめしてもらったんです。この生徒さんは独学で日本語を勉強しているんですが、たくさんの日本語の小説を読んでいます。


彼の目標は日本語の小説を読むのが速くなりたい。つまり、彼はアメリカの生徒さんなんですが、英語の小説を読むぐらいのスピードで日本語の小説が読めるようになりたいというのが彼の目標なんですね。だから、たくさんの日本語の小説、コンテンツを読んでいる人です。そのうちの一冊、彼はこう言いました。これは本当に読みやすかったです。ビギナーの人にもおすすめできるかもしれない。なぜなら、一つの文が短い。簡潔なんです。そして同じフレーズ・言葉が何度も何度も何度も、しつこいぐらいに繰り返されるから、そのフレーズ、覚えてしまいますと言っていました。そして内容も感動的、悲しくて、せつなくて、心が温かくなる話。だから、おすすめですよ、と言ってくれたので、じゃあ、読んでみようか、私も読んでみました。


私は日本人ですから、この本、読み始めて二日で全部読みました。はい、「コーヒーが冷めないうちに」。これね、実は映画化にもなっています、映画化。主演は有村架純さん、有村架純さんが主演した「コーヒーが冷めないうちに」もいいらしい、いいらしいです。そしてね、この本、ちょっと調べてみると2017年に本屋大賞にノミネートされている本で、口コミで人気になった本だそうです。では、Amazonの説明の部分を読みますよ。これはそのまま読みます。聞いてください。


とある街の、とある喫茶店の

とある座席には不思議な都市伝説があった

その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

ただし、そこにはめんどくさい……

非常にめんどくさいルールがあった

1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない

2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない

3.過去に戻れる席には先客がいる

その席に座れるのも、その先客が席を立った時だけ

4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない

5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、

そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

めんどくさいルールはこれだけではない

それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店に訪れる

あなたなら、これだけのルールを聞かされて

それでも過去に戻りたいと思いますか?

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?


はい、これを聞いただけで、ちょっと読みたくなりませんか。そうなんです。舞台は不思議な喫茶店。その喫茶店で、ある席に座って、ね、コーヒーを注いで、コーヒーを飲み始めると自分が戻りたい過去に戻れるんですね。まあ、でもいろいろなルールがあります。


そしてここに出てきて、過去に戻って行く人たちは、まあ、4人、4つの短い話があるんだけれども何か後悔があるんですね。ああ、あの人とああいうやり取りをやっとけばよかった。あの人にもう一度会いたい。誤解を解きたい。いろいろな後悔がある人が過去に戻って行くんです。泣けるぐらい、せつない、悲しい話。まあ、Amazonのレビューを見るとたくさんの人がですね、とにかく泣きました、泣けた、と書いてあるんだけれども、私は泣かなかった。泣けなかった、でも、とても悲しくなったり、せつなくなったり、心が温まる気持ちがしました。感動の4作品です。はい、ちょっと小説の第1話から第4話、第4話までのタイトルを読んでいきます。


第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話

第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話

第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話

第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話


私は全部それぞれよかったんですけれども個人的には夫婦の話にとても感動しました。まあ、私も結婚していますからね。旦那さんがいます。あのー、私たち夫婦、で、もしこんな状況になったらどうするかなあなんて考えながら読み進めました。はい、あのー、もう一つね、本当にもう一つじゃない、もう一度繰り返しますが本当に読みやすかったです。日本人の私からしてもですね、本当に一文一文が短くて、簡潔で、分かりやすい。もちろんね、みなさんにとっては初めての文法や初めての語彙、言葉はたくさん出てくるはずです。でも一文が本当に短いんですよ。だから本の内容としてはそんなにたくさんの内容はないと思うんですね。はい、読みやすいです。本当に。


そして、さっき私が言ったルール、過去に戻るためのルール、説明が何度も何度も何度も何度もこのなかで繰り返されるんです、本当に。だから最初の第一話は読むのは大変かもしれないけど第一話をクリアすればですね、同じフレーズ、言葉が何度も何度も何度も出てくるので、読みやすくなると思います。読むスピードは上がっていくと思うんです。はい、なので、まあ、レベル的には中級以上の人におすすめしますね。


はい、感動作品だと思います。はい、本当におすすめです。「コーヒーが冷めないうちに」読んでみてください。みなさん、多読はいいですよ。多読、インプット、ね、ポッドキャストは聞くだけじゃないですか。聞くのももちろん勉強になるけれども、やっぱり読むという作業をしてください、みなさん、ね。小説が嫌いな人は、何か日本人の書いたブログ、日本人の先生が書いたコンテンツでもいいと思うんですけど、やっぱり生教材。本当の小説、コンテンツを読むのがいいと思うんです。はい、教科書は正直つまらないからね。こういう小説を読んで、日本語の素晴らしさ、小説の素晴らしさを感じてほしいと思います。はい、それでは、またね、またね、またね。

Special Thanks go to Donna, トランスクリプトを作ってくれました。Thank you!

Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

Previous
Previous

99.距離にも負けず

Next
Next

97.年齢はただの数字