179.「たぶん」と「おそらく」「最後」と「最終」
皆さん、こんにちは。日本語の先生Norikoです。
今日は質問があったので、質問に対して答えてみたいと思います。
「恐らく・おそらく」と「多分・たぶん」
1つ目は「おそらく」と「多分」の違いがありますかということでした。
あんまり違いはないと思っています。
例えば、ま、おそらく、多分っていうのは、あることに対して自分の推量(guessing)を表すんですね。
多分雨だろう。
おそらく雨だろう。
明日のことです。明日の天気について自分で考えて話している。確実じゃない。わからない。でも多分雨だろう。おそらく雨だろう。ほとんど違いがないと思います。
サッカーのワールドカップで、自分の推量を話します。
多分ブラジルが優勝するだろう。
おそらくブラジルが優勝するだろう。
同じような意味です。
ただ、「多分」の方が普通の会話でよく使われる、くだけた言い方だと思います。「おそらく」はちょっとかたいですね。うん、かたい印象を受けます。
ですから、辞書によると、「多分」の方が、口語的・くだけた言い方と書いてあります。
「おそらく」っていう漢字は「恐い」という漢字を使うんですね。「恐い」という漢字で、「恐らく」。ですから、「おそらく」にはちょっと違ったニュアンスも出てくることがあると辞書には書いています。
何かを推量するときに、悪いこと・悪い可能性が高い、と推量する気持ちを表したいときには、「おそらく」を使う方が多いと書いてありました。
例えば、
おそらく後悔するだろう。
ね、後悔する。ね、きっと何か起きて、あーやらなきゃよかった、しまったという後悔の気持ちが生まれるだろう。おそらく後悔するだろう。
この場合には、「おそらく」を使うほうがいいんじゃないかというふうに書いてあります。はい、ただほとんど違いはないです。
大きな違いは、「多分」の方が口語的・くだけた話し方、会話・普段の会話でよく使うと覚えておきましょう。
「最後」と「最終」
次の質問は、「最後」と「最終」の違い。最後と最終の違いはなんですか。
これはよく似ています。でも違うと思います。はい、え、うまく説明できるかな。
え、例えば、何かシリーズで続いていることがある。ね、何か1つの枠の中でそれが続いていて、その枠の中の最後のときには、「最終」を使います。
1番よくわかるのが、テレビのドラマシリーズの「最終回」。これは最後の会とは言いません。最終回。
シリーズが枠なんですね。ずっと続いていた。その最後ということでテレビドラマの最終回。
あと、わかりやすいのが電車の「最終列車」。最終列車。その日、スケジュール朝から始まってずっと電車が動いていた。でもその日という枠の中の、最後の便だから、最終列車ということができます。でも、「最後」は使わない。
ね、あとは、そうですね、学歴。ね。小学校、中学校、高校、大学、大学院と、ま、いろいろ勉強続けてきたときの「最終学歴」。これは最後の学歴とは言いません。最終を使います。
つまりずっと続けて勉強してきて、最後のファイナルのEducationなんですね。ですから、最終学歴といいます。
では、「最後」、じゃ、「最後」はどうやって使うのかっていうと、うーん、例えば、もう、ま、限定された何か数・数量があります。その最後。そして、それが終われば、もう未来にそれを持つことができないという感じでしょうか。
今思ったのは、チョコレートですね。チョコレートボックスにたくさんチョコレートがあって、食べていきますね。数量は限られます。例えば20個入りのチョコレートのボックス。
ね、え、19個目を食べて、最後の1個が残っています。そういうときには、最後のチョコレート。最後の1個のチョコレート、と私は言って、最終の1個のチョコレートとは言いませんね。
はい、だから、食べ物の残りの最後の最後の1個。これを食べればもう終わりっていうときには「最後」を使います。
あとよくわかるのは、レオナルドダビンチの「最後の晩餐」。Last Supper。
ね、これは、もうほんとに最後なわけです。未来にもう次がない。2番目、3番目の食事の会はない。だから最後の晩餐。The Last!
うまく説明できたでしょうか。そういう違いがあると思います。
はいそれでは、今日は、多分とおそらく、最後と最終、について話してみました。
それではまた明日。