213.自動詞と他動詞

Hello, My name is Noriko, a fully qualified Japanese teacher. This is a Japanese podcast for Japanese learners.

皆さん、こんにちは。日本語の先生Norikoです。


今日はちょっと文法の話をしてみたいと思います。自動詞と他動詞。自動詞intransitiveと他動詞transitiveについてです。ブラジルのニコラスさんからリクエストがありました。


実はポッドキャストの音声だけで、文法について話すのはとても難しいんですね。特に自動詞・他動詞を勉強するのは、イメージ、写真があったほうがわかりやすいと思います。また時間があれば、自動詞と他動詞について、動画を作ってみようかな。でも今日は、話すだけです。私のサイトでぜひトランスクリプトも読んでみてください。


さて、どうして自動詞と他動詞を勉強しなければいけないのでしょうか。というより、どうして、自動詞と他動詞を見分けて、使い分けなければいけないのでしょうか。


皆さんもよく知っているように、


自動詞は、AがV(verb)する、Aが自ら自分で動く、というSelf-move actionの動詞です。


他動詞は、AがCをVする、AがCという他のものを動かす、というOther-move actionの動詞です。


日本語は英語と全然違いますね。英語では話すとき、文章を書くとき、必ず主語が必要ですね。IとかYouとかをつけないと、だれがそのアクションをしたのかわかりません。


In English, Subjects are clearly stated. 


でも、日本語は、主語がない文章がほとんどです。なくても、文脈でだれがそのアクションをしているかわかるんです。 「部屋の電気がついています。」みたいな文では、だれが電気をつけたのか、そんなことはどうでもいいんですね。だから、日本語では、自動詞と他動詞があるんです。私たちはうまく使い分けているんですね。


具体的にはどう使い分けているんでしょうか。例えばですね、私の旦那さん。これは最近あった本当の話なんですけれども、彼はセーターを着ていました。そして、いつのまにか、そのセーターのひじ、Elbowの部分に、穴があいてしまったんですね。破れたんです。


この時に、私の旦那さんは、日本語で「セーターのひじの部分が破れた」と言いました。「ひじの部分が破れた」ですね。「破れた」は自動詞intransitiveです。


もし「ひじの部分を破った」「セーターを破った」、つまり「破った」他動詞transitiveを使うと、「あれ、私の旦那さんは、彼の意志で、自分で、わざと、intentionallyに破ったのかな」というニュアンスが起きるんです。


でも、この場合は、長い間そのセーターを使っていて、自然に少しずつひじの部分が弱くなって、穴があいてしまいました。セーターが破れてしまったんです。彼はなにもしていません。このようにうまく自動詞と他動詞を区別して使い分けているんですね。


あともう一つ自動詞と他動詞を区別をする、しなければいけない理由があります。他の文法と一緒に動詞を使うとき、他動詞だけしか使えない文法があるんです。


「ておきます」です。


例えば、私は会社で働いていて、昼に大きな会議があります。会議室に行って会議の準備をしなければいけません。私はまず窓を開けますね。この「開ける」は他動詞。そして暑いですから、エアコンをつけます。「つける」も他動詞。


そして、あとで、私の上司に報告します。


「会議室の準備が終わりました。窓を開けておきました。エアコンをつけておきました。」と言います。


開けておきました。「ておく」。この文法には、他動詞は使えますが、「開いておきます (x)」と自動詞は使えないんです。


それでは前置きが長くなってしまったんですけれども、自動詞と他動詞をどうやって見分けるか、ということを簡単に話してみたいと思います。


まず最初に、もう一度言いますが、


自動詞は、AがVする、Aが自ら自分で動く、というSelf-move actionの動詞です。


他動詞は、AがCをVする、AがCという他のものを動かす、というOther-move actionの動詞ですね。


つまり、最初に目的語を置く「を」があるかどうかを見ます。または文を作ってみて、「を」が必要かどうかを見るんですね。


さっきの「セーターが破れた」には、「を」がないですから自動詞となります。


そして、次。次のステップ。「を」がある場合も、すべてが他動詞になるということではありません。


え、どういうこと?って思いますよね。例えば、「公園を走ります」。この文には「を」がありますね。こういうときは、だれが動くのか、だれが走るのかを考えてみてください。自分が動くかどうか。自ら、自分が動くかどうか、です。公園を走るのはだれですか。私が公園を走ります。「私」という「A」、「自分」が動きますね。Aが自ら動く、ということで、これは自動詞になります。


ということで、自動詞と他動詞を区別する方法は、


1.「を」があるかどうか。

2.「を」がある場合でも、だれが動くのか。主語の「A」が自ら動くのかをチェックしてください。


さて、最後になりますが、自動詞・他動詞でペアになるものと、自動詞しかない、または他動詞しかないペアにならないものと、1つだけの動詞で自動詞と他動詞にもなる、というグループに分けることができます。


私のサイトで、簡単にそのグループの動詞の例を書いておきますので、もっと勉強したい人はサイトをチェックしてみてくださいね。


Peach and Pastel Concept Map Chart.png



最後に、問題を出します。4つの動詞を言います。1つだけ自動詞があります。どれでしょうか。


1.落とした。

2.割った。

3.燃えた。

4.入れた。


これを考える時に、自分で例文を作ってみます。


例えば、


1.落とした。スマホを落とした。

2.割った。 お皿を割った。

3.燃えた。 木が燃えた。

4.入れた。 かばんに財布を入れた。


このように文を作ってみれば簡単です。つまり「3.燃えた。木が燃えた。」が自動詞で、残りは他動詞になりますね。


木が燃えた。だれが木を燃やしたかどうかは、どうでもいいんですね。例えば、山火事。Bush fire、山火事で山の木が燃えている。と言います。


はい、今日はちょっと難しかった。私がちょっと話すのが難しかったです。

わかってもらえたかなあ。少しでも役に立っているとうれしいです。


それでは、またね!


動画(どうが)video

見分ける(みわける)distinguish

使い分ける(つかいわける)use different X depending on 

自ら(みずから)for oneself, of one's own free will, on one's own initiative

文章(ぶんしょう)sentence

文脈(ぶんみゃく)context

いつのまにか before I knew it

意志(いし)will

わざと on purpose

報告する(ほうこくする)to report

目的語(もくてきご)object

さっきの the one I told you before

Buy Me a Coffee at ko-fi.com
Japanese with Noriko

A fully qualified Japanese teacher and also the creator of the Japanese podcast, LEARN JAPANESE WITH NORIKO.

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