164.Book Club 『日本人の心がわかる日本語』第1章 - けじめ
皆さん、こんにちは。日本語の先生のりこです。
今日は、ブッククラブ。先日もお知らせしました。私のコミュニティ「Japanese Together」の中で2月から始まった読書チャレンジ、それはみんなで「日本人の心がわかる日本語」を読もうというものです。皆さん、興味があればね、ぜひ皆さんも読み始めてください。このチャレンジは2月から始まってるんですけれども、7月、今年の夏ぐらいまで続けるチャレンジですので、遅れて参加してくれても全然OKです。その代わり、本は自分で買ってくださいね。
はい。今日は、第一章の話をしたいと思います。ここに本があるので、まずは第一章の目次を読みますね。第一章のテーマは、面白いです、多分みんな一番興味があることじゃないかな、「内と外を分ける」というテーマで、「内と外」、「世間」、「しつけ」、「けじめ」、「素直」、「甘える」というそれぞれの1、2、3、4、5、6、6つの細かいトピックで構成されています、第一章。この中で、内と外っていうコンセプトは、ま、色々な先生も話したし、私も一度昔話したことがあるので、内と外について今日は話しません。でも、もう一つ日本人が大切に思っている価値観、「けじめ」、けじめについて話していきたいと思います。
ちょっと本の部分を読みますね、朗読します。これは、ページが30ページです。
「けじめ」。日常の生活や社会生活の中で、日本人が一番大切しているといってもいい考え方がけじめです。日本人は小さい頃から、家庭や学校でちゃんと「けじめをつけなさい」、「けじめのある行動をしなさい」としつけられます。では、けじめとは何でしょうか。
はい。でね、私オンラインの辞書で「けじめ」を調べました。オンラインの辞書には、このように書いてあります、けじめとは。
あるものと、他のものの区別、節度を持った行動をすることを「けじめのある行動」と表現する。対して、私生活と仕事などの区別がつかない人などを「けじめのない」と表す。また、ミスに対して責任を取ることを「けじめをつける」と言い表す。
と書いてあります。つまり、けじめとは、基本的には、区別をはっきりさせるということです。特に、その時の時間、場所、会社なのかプライベートなことなのか、そういうTPO。そして、相手との関係性をよく考えて、それにふさわしい、適切な行動や態度を取ること。それがけじめです。
難しかった?難しいですかね、このコンセプト。ね。例えば、極端な例でいきましょう、極端な例ね。じゃ、ある、ま、いつも田中さんだけど、田中さんにしましょう。田中さんは会社員です。ね、会社のオフィスの会社のパソコンで、週末彼女とデートに行くレストランを探しているんです。これ、ここです、この、会社でプライベートのことを調べてる。会社のパソコンをしかも使っている。そんな人、いるでしょう?え、あなたもやってませんか?これは日本語では「けじめがない」。公私混同。公私混同。ね。
だってそうじゃない?プライベートのことは自分のスマホで調べたらいいんじゃない?自分のパソコンでやったらいいでしょう?どうして会社のパソコン使わなきゃいけないの?けじめがないんです。会社のものは会社のもの、自分のものではありません。公私混同をしてはいけない。そういう時にけじめののある行動をしなさい。けじめをつけなさい。
あと、これも全く同じ例文がこの本に書いてあったんだけど、勉強する時は勉強する、遊ぶ時は遊ぶ。けじめのある生活をしなさい。これは私の小学校の時の先生がよく言ってました。けじめのある生活。私の母もこんなことをよく言いましたね。「今は試験期間中だから勉強しなさい」ね、「勉強した後で、試験が終われば遊べばいいんだから、けじめをつけなさい」。厳しいですね。はい。
なので、さっきも言ったように、時や場所、相手との関係性をよく考えて、それに合った行動を取らなきゃいけない、これが「けじめ」のコンセプトなんです。区別をはっきりさせる。
ね。面白い。でね、どういうところで公私混同、区別がついていない行動になるのか、インターネットで調べました。先とよく似た例なんですけど、じゃ、会社のオフィスにある備品、例えばボールペンとか、トイレットペーパーを自宅に持ち帰る、こんな人がいるみたい。これは、公私混同、けじめを、けじめがない行動になります。
はい。そして、私物、自分のドキュメント、書類を、会社のコピー機でコピーする。ま、実はこんな人いるんじゃない?実は、私も今だから言えるけど、以前働いていた会社で、自分の飛行機の旅行のチケットをコピーしてしまいました。すみません。やっちゃった。はい、告白。公私混同ね、けじめがない私、その時、すみません。家にコピー機がないからっていう理由で、会社でコピーしちゃう人いるかもしれません。はい。ね、けじめ。けじめをつける。
でね、面白いんですけど、
人と人との関係の中で、けじめをつけることは非常に重要です。相手が自分より目上なのか目下なのかという上下関係、内の人か外の人か、男か女か、などの違いによって、言葉遣いや態度を変えます。(本の引用)
これも「区別をはっきりさせる」というコンセプトに繋がっているそうです。面白いね。うん。あとはね、「けじめをつける」のは、あの、例えばね、会社で何か問題が起きました。で、何か会社に損、損害をもたらした大きな失敗があって、その失敗の責任を問われた、「けじめをつけてやめます」っていう表現もできる。ものすごいですね。なんか昔の侍みたいな。「私が責任をとって、けじめをつけて、会社をやめます」みたいなこともあるそうです。はい、この「けじめ」。
はい、面白いでしょう?これ本当に一部分のコンセプトなんですね。このように、この本「日本人の心がわかる日本語」では、多分皆さんでは理解できないような日本の不思議な価値観について、ま、例文を入れながら説明をしてくれている本なんですね。
今日は、第一章の中で、「内と外を分ける」というトピックの中で「けじめ」という言葉を選びましたが、多分来月かな、来月は第二章か、第三章について取り上げてみたいと思っています。皆さんで一緒に本を読んでいきましょう。Japanese Together の中は、小さいコミュニティなんだけれども、24名、24名の方がこのチャレンジをやってくれていますね。はい、みんなで第7章まであるんですけど、最後まで読んで、意見の交換をしたいと思っています。
はい、それでは今日はここまでです。皆さんも「けじめのある生活を送ってください」なんて厳しいことは私は言いません。はい、リラックスして、今日も楽しい一日を。以上です。