291. 仏の顔も三度まで
皆さん、こんにちは。日本語の先生のりこです。今日も少しゆっくり話します。努力しています、早く話しすぎないように、気をつけています。
みなさんは怒ることがありますか。腹を立てることがありますか。私はね、若い時はもっとよく怒っていました。私は優しい人ではありません。若い時はいろいろなことに怒って腹を立てていましたね。
でも年をとればとるほど、なんだか性格が丸くなってきたような気がします。あんまり怒ることがないですね、最近。うーん、最近怒ったことがないと思います。そんな私ですが、今日は「怒る」ということを表現したことわざを話してみます。それは「仏の顔も三度まで」「仏の顔も三度まで」。
仏様、これは仏教の神様ですね。仏様。仏様のイメージは、優しい。温厚で我慢強い。そして、心が広い。そんなイメージなんです。そんな優しくて、普段怒らない仏様でも、何度も無礼なこと、失礼なことをされると怒り出しますよ。つまり、どんなに優しくて温厚な人でも、繰り返し失礼なことをされると怒りますよという意味なんです。面白い意味ですね。
そうですよね、どんなに優しい人だって1度目は許してくれるかもしれない、2度目も許してくれるかもしれない。でも、3度目同じようなことを、失礼なことをされたら、人間だったら怒りますよ。だから、3度目には我慢できずに怒り出す。これが仏の顔も三度までという意味になります。
怒らない人なんているのかな。まあ、先日私の他のエピソードで話した、私が読んだ小説「アーモンド」。「アーモンド」に出てくる主人公の男の子には感情がありません。生まれつきの脳の障害で、感情を感じることができない。だから怒ることもない。
そういう特別な事情があって怒ることができないなら、理解できるけれども、普通の人間なら、泣きます、笑います、怒ります、悲しみます、いろいろ、いろいろな感情がありますよね。
でもね、人によってはその感情をあまり表現しない、顔に出さない人もいますよね。嫌なことをされて、実は、心の中でめちゃくちゃ怒ってるけれども、声に出してやめてくださいと言えない人。だから周りの人は、この人は優しい人だ、あんまり怒らない人だと決めつけて、「あーこのぐらいなら大丈夫なんじゃない」と何回も失礼なことやひどいことをしてしまうかもしれません。
そんなとき、我慢していた人は、どんどんと怒りの気持ちが増えて、蓄積されて、いつか爆発することがあるかもしれません。だから「仏の顔も三度まで」。
同じようなことわざを最後にもう一つ紹介しておきます。「堪忍袋の緒が切れる」「堪忍袋の緒が切れる」。
堪忍袋、これは我慢と入れる袋です。緖は、その袋を締める紐のようなものです。つまり、堪忍袋は、袋ですから、我慢できるキャパシティの量は限られています。そして、その我慢が、いっぱいいっぱいになって、もうこれ以上我慢ができない、そしていつか堪忍袋の紐が切れて、怒りが爆発するということのたとえです。
「堪忍袋の緒が切れる」
さっきも言いましたが、私は、最近は爆発するぐらい怒ったことがないです。まあ毎日同じですから、怒ることもない生活ですね。でも、これも以前のPodcastで話しましたが、私は口うるさい妻なんですね。奥さんなんですね。よく旦那さんに「これこれしてね」「これ、しといてね」と、何度も何度も同じことを言ってしまいます。
これね、自分でもわかっているんですが、最悪の妻ですね。気をつけないといけない。口うるさいのは本当によくないです。でも、やっぱり何度も何度も同じことを言っています。そして、私の旦那さんは怒らないんです。
もしかしたら私の旦那さんは、神様仏様かもしれません。はい、それでは今日はここまでです。またね。
性格が丸くなる(せいかくがまるくなる)to get soft
腹を立てる(はらをたてる)to get angry
温厚な(おんこうな)gentle
無礼な(ぶれいな)rude
感情(かんじょう)emotion, feeling
障害(しょうがい)disability
蓄積する(ちくせき)to accumulate
爆発する(ばくはつ)to explode
堪忍袋(かんにんぶくろ)の緖が切れる can no longer put up with something
紐(ひも)string
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